(社)日本動物保護管理協会 特別会員募集のお知らせ

  「動物の保護及び管理に関する法律」が26年ぶりに改正され,その名称も「動物の愛護及び管理に関する法律」となり,基本原則に「動物が命あるもの」,「人と動物の共生」という文言が加えられ,飼い主はもとよりすべての人が命ある動物を虐待することのないようにするだけでなく,人と動物の共生に配慮しつつ適正に取り扱うようにすることとされました.この法律改正を機に,動物を愛護し,適正に飼養することが,優しさと思いやりにあふれた人間性を育むと同時に,生命尊重や友愛などの情操面の豊かさが向上され,人と動物が共存する社会の実現が期待されるところです.
 (社)日本動物保護管理協会では,これまでも動物愛護思想と適正飼養の普及啓発に努めて参りましたが,これを機にさらなる事業活動の推進を図るため広く特別会員の募集を行い,関係行政機関と連携を図りつつ官民一体で相互に連携協力しながら事業の拡大を目指していきたいと考えております.
 つきましては,本会の趣旨にご賛同いただき,特別会員として是非とも本会活動にご支援いただきたくお願い申しあげます.

【会費(年額)】 特別会員A(団体)1口50,000円
特別会員B(個人)1口 3,000円
(団体,個人とも1口以上何口でも結構です)

【入会方法等に関  するお問い合わせ先】
  社団法人 日本動物保護管理協会事務局
(担当:府馬)
〒107-0062 東京都港区南青山1-1-1
 新青山ビル西館23階
  TEL 03-3475-1695
  FAX 03-3475-1697

書  評

「牛と日本人 ―牛の文化史の試みー」

松山 茂(前日本獣医師会専務理事)
  対岸の火事と見ていた牛海綿状脳症(狂牛病)がついにわが国で発生した.昨年は口蹄疫そして今回の狂牛病と,近年一般市民からはやや縁の遠かった牛がにわかに話題になっている.
 専門家であるはずの私達も,学校では習ったものの産業動物獣医師が減少している現在,牛について薀蓄を傾けることができる人がどれだけいようか.
 著者は大学で長年家畜生理学の教鞭をとり,日本農学賞,紫綬褒章を受けた専門家である.そして本書を読めば,著者の牛に対する並々ならぬ愛情を伺うことができる.さらに牛に関する博識と綿密な調査には敬服せざるを得ない.牛(を含めて動物)の肉を食べない菜食主義者が存在することは多くの人が知っている.しかし,人間の生存に必要なアミノ酸やビタミン類を野菜からのみ摂取するには高度の知識とかなりの費用を要するらしい.菜食主義者で知られたバーナード・ショウも結論的に菜食主義は「貧乏人には手の届かぬものだ」と述べたことを本書ではじめて知った.目から鱗である.
 本書の題名「牛と日本人」にもかかわらず,牛および家畜としての牛の歴史を地球規模で紹介している.著者に,アルファベットは牛の意があり,Aは牛の象形であることも紹介されたら良かったのにと愚見を述べたら,あれは誰でも知っていることですと一蹴された.そう,誰もが知らないことがたくさん書いてある.獣医師たるものこれくらいは知っていてほしいと思う.産業動物獣医師でない方にも是非ご一読をお勧めしたい.

津田恒之 著
四六版 300ページ
2001年9月4日刊
定価(本体2,300円+税)
発行 東北大学出版会