紹 介

福岡県獣医師会藏内勇夫会長が福岡県議会の
第54代議長に選任される

  福岡県獣医師会藏内勇夫会長は,平成13年5月22日間催の福岡県議会臨時議会において,栄えある福岡県議会の第54代議長に選任された.
 このことは,われわれ福岡県獣医師会会員の誇りであるに止まらず,日本獣医師会27,000名会員の,社会的地位 の向上に貢献できるものと確信している.
 会長は,昭和62年県議会議員に初当選以来斬新な政治理論と卓越した行動力で幅広い分野で活動を展開されている.
 会長は昭和28年12月生まれで,今年48歳の年男であるが,全国でも最年少の県議会議長の誕生である.議長という職責は周囲がみる以上に激務である.スケジュールが文字どおりの“分”単位 で,事務局としてはなかなか連絡がとりにくく,戸惑いの連続である.今年は北九州博覧祭,世界水泳大会など行事も多く,それぞれ皇室からのご臨場もあり,会長は対応におおわらわである. このような状況で,会長業務もこなさなければならないが,そこはそれ持ち前の開拓精神で,先頃,本誌でもご紹介いただいた“ヤマネコ保護”のことや,“学校飼育動物”のこと,さらに“マイクロチップによる動物登録”のこと等精力的に活動されている.
 今年の九州の夏はことのほか猛暑で健康を損なうことのないよう祈るばかりである。

(文責:福岡県獣医師会 事務局長 河野 彰)


書  評 

「事件からみた毒―トリカブトからサリンまで」

赤堀文昭
麻布大学獣医学部薬理学・
毒性学(トキシコロジー)教授
 

 手にとって読んでみたくなる本である.
 最近,私達の身の回りに起こった中毒事件において,毒物の分析を直接担当した方や,裁判で証人として法廷に立たれた方など,その人でなければわからない(書けない)ことが記述されている.
 中毒事件は発生するたびに,新聞やTVニュースなどで大きく取り上げられる.そして,その原因物質がなんであるかも報じられる.しかし,どのようにしてその毒物による中毒と同定したのか? 読者としては新聞やTVニュースでは知りえないこと,しかし,知りたいことが紹介されている.
 また,私達の身の回りにこれほども多くの毒物が存在するのかということも知らされる.そして毒物の特徴やこれらの毒物から身を守るすべもわかる.幅広い視点から平易に書かれており,一般 の人達にはもちろん,トキシコロジスト(毒物専門家)といえども興味深い本である.一度,読まれることを薦めたい.

Anthony T. Tu 編著
A5判 282ページ
2001年8月2日刊
定価(本体2,200円+税)
発行 (株)化学同人