紹 介
米国におけるバイトリル®過剰投与患猫に
きわめてまれに発現した視覚異常事例
2000年7月に米国バイエル社より臨床医師宛てにインフォメーションレターが出された.注意喚起のため以下にその抜粋を掲載する.
『弊社動物用薬品事業部には,バイトリル®(錠剤・注射)で治療された猫において,きわめてまれではありますが,盲目症,一過性の盲目症,部分的な盲目症および散瞳といった視覚障害が認められたとの報告が近年寄せられております.報告を基にした過去10年間における視覚障害発生率は,122,414頭に1頭(0.0008%)の割合であると推計されます.この副作用事例の報告は,1997年7月に,米国におけるラベルの表示が,従来の経口投与による用量
が2.5mg/kg/bwでの1日2回投与から,5〜20mg/kg/bwでの単回投与あるいは半量 ずつの2回投与に変更されたことと関連性があるように思われます.
弊社は,本件を徹底的かつ客観的に調査するために,American College of Veterinary Ophthalmologyの眼科専門医の協力を得て,特別な安全性試験を現在実施しております.
結果は試験が終了次第報告させていただきますが,すでに実施されております予備試験の結果 において,用量依存的に視覚障害が発生することが示唆されています.その最も重篤な症状は薬剤を1日当たり50mg/kg/bwで投与された猫において,投与後1週間以内に観察されましたが,承認投与用量
の下限であります1日当たり5mg/kg/bw投与の猫については,副作用はまったく観察されませんでした.このことより,今回バイトリル®錠の猫における使用用量 を1日当たり5mg/kg/bwを超えないよう注意していただくようお願い申し上げます.』
以 上 |