日本獣医がん研究会

【名 称】
  日本獣医がん研究会(会長:南 毅生)
(Japan Veterinary Cancer Society)
【事務局所在地】
  〒222-0033 横浜市港北区新横浜2-5-22 エクセレントプラザ新横浜401
ペット・ベット内 日本獣医がん研究会事務局
TEL 090-4113-6766 FAX 045-478-2536
E-mail : JVCS@pet.vet.or.jp
【組 織】(平成12年11月7日現在)
    会員数:名誉会員5名,正・準会員621名,賛助会員10社 役員:会長1名,副会長2名,会計監事1名,幹事80名
【目 的】
   犬や猫の寿命は,飼い主の疾病予防・治療要望の高揚と獣医療の向上により明らかに延長している.それに伴って,病気の種類も時代とともに変遷し,寄生虫・伝染性疾患や外傷から腫瘍・糖尿病等のいわゆる成人病が小動物臨床の主役に変わりつつある現状である.しかし,獣医腫瘍治療の歴史は比較的浅く,米国でも獣医がん学会(Veterinary Cancer Society)が発足し近代的な腫瘍治療が始まったのはこの十数年でしかない. わが国でも,腫瘍治療ニーズの向上に伴い,研究会や学会の必要性がささやかれていたが,夜明け前の混沌とした状態が続いていた.そこで,6年前の1994年11月に有志26名が集い研究会発足の発起人会が開催され,日本獣医がん研究会が誕生するにいたった.
【目的と活動状況】
  1.発 足 主 旨(目的)
  本会は,腫瘍の診断・治療技術の向上のみならず,本邦における腫瘍臨床例の集積と分析,最新情報の収集,新しい治療法の臨床治験,獣医師の卒後教育,医学・薬学等の他分野との提携など,日本の獣医臨床腫瘍学の発展のために寄与することを目的としている.そして,この研究会だけは単なるよそゆきの症例発表会や講演会で終わらせず,学閥や人のしがらみ・歳の功をぬ きで純粋に症例のための討論が活発にできるフランクな研究会にしていこうという発起人の総意で設立された.また研究会で腫瘍の診断・治療効果 判定基準等を統一して全国的な腫瘍症例の集積を行ない,日本独自の臨床の現場で役立つデーターをみんなでつくる実質的なワーキンググループを目指している.

2.活 動 状 況
  (1) 研究会開催 年2回,1月と7月に定例の研究会が開催される.臨床の現場で遭遇しやすい腫瘍を中心に,教育講演や症例検討会が実施されている.
 (2) 外人講師の招聘 2年に1回は,世界的に小動物腫瘍治療分野で活躍されている海外からの講師を招聘し,最先端の知識・技術を取り入れており,講演を受けるだけでなく,日本側講師陣との活発な意見交換がされた.

 (3) 各種委員会活動
 ア.腫瘍症例臨床統計委員会 腫瘍の診断・治療効果判定基準等を統一して全国的な腫瘍症例の集積を行ない,日本独自の臨床の現場で役立つデーターを会員全員で作成する実質的な活動を行っている.1999年には,安藤 純委員長のもとに,腫瘍症例集積の基準となるWHOのTNM分類を要約した小冊子を全会員に配付した.さらに,全会員を対象に第1回腫瘍統計調査を実施し,集積したデーターの分析を開始している.
 
  イ.獣医腫瘍専門医制度検討委員会 石田卓夫委員長のもとに,まず海外の獣医学分野や医学分野の現状を分析した.そして,本邦の実情を加味して専門医制度の前身となる認定医制度を制定し,2000年1月から講習会がスタートしている.現在では,獣医腫瘍科認定医認定委員会のもとで,2001年にはいよいよ第1回獣医腫瘍科認定医第2種試験が実施されるはこびとなった.
 
  ウ.地方幹事会制度 研究会の運営には,会員の声をできるだけ反映できるように地方幹事制度がある.地方幹事約70名で年2回の幹事会により,できるだけ会員意見の集約を計るよう努力している.さらに,会誌やアンケート調査等により,研究会テーマ決定の参考資料としている.たとえば,第11回研究会のテーマである腫瘍外科のビデオセッションは,アンケート結果 を実際に反映したものであった.

(文責:前会長 信田卓男)