獣医師のインターネット利用法(その3)
インターネットを利用した情報収集と
その検索(国外編)
岩城隆昌(東京慈恵会医科大学・実験動物施設)
前回,著者が開いた国内のインターネットホームページサイト(以下サイトと略す)の中で獣医師に有用と思われるものを紹介した.今回はこの続きとして国外のサイトを中心に紹介する.しかしながら,これら国外のサイトを日本語で読めたらと思うのは著者だけではないと考え,最初に翻訳ソフトの使用や購入時のポイントについても触れる.
翻訳ソフトの利用について
コンピュータを使用した翻訳は機械翻訳といわれ,これに関係するソフトは現在,多数市販されている.また最近のパソコンは購入時にインターネット用翻訳ソフトが付随している商品もある.翻訳ソフトは役に立たないとの意見も聞かれるが,確かに電子辞典で単語を和訳して並べたと同程度の翻訳ソフトが存在するのも事実で,総じて現在も発展途上にある領域であることに間違いはないと思われる.それでも一部のソフトは有る程度意味のとれる翻訳が可能となってきている.それらソフトの選択で参考になるのが,Green
and White(後述の翻訳辞書関係サイト参照)というサイトで,使用するOSごとに翻訳ソフトのリストや評価が一覧されている.また実際に翻訳したい文章を入力してどのように翻訳できるか体験することも可能で,ここであらかじめ体験して納得の上,ソフト購入を決断する方法が最も合理的と著者は考える.次に購入ソフトの翻訳結果
の品質を向上させる方法として,翻訳分野に合った専門辞書を購入・インストールし,さらに学習機能を使って辞書を鍛えることが必要となる.そこで実際はそれら専門辞書も含めたソフトを購入することになるが,量 販店で購入するとしてもその合計額は安売りパソコン1台と同額近くなる商品もある.一方,一部のメーカーでは翻訳ソフトを使用する学生のためにアカデミックパックと称する学割商品を販売している.さらにホームページ「Internet
Resources(翻訳のためのインターネットリソース2000)」(後述の翻訳辞書関係サイト参照)には英語のみならずフランス語,ドイツ語,ギリシャ語,韓国語,ラテン語や百科事典まで翻訳作業に必要な辞典類のサイト情報が集められている.ここからYo-Nagisa版【一万語医学辞書】等をダウンロードして使う方法もあるが,多忙な方には前述の市販辞書の使用をお勧めする.
翻訳ソフトを使用するとブラウザーソフトで呼び込んだホームページの英語表示の上部(設定によっては英文がすべて翻訳文に置き換わる)に日本語表示が現れる.これを使えば英文で書かれたホームページでも原文を確認しながらさほどエネルギーを使わずに斜め読み可能となる.いずれにせよインターネットを利用して国内情報はもとより海外とも情報交換する場を持つことは,われわれ獣医師にとって大変有益と思われる.
ブラウザーソフトと文字化けについて
国内外のサイトを見る場合,ブラウザーソフトの「表示」から「文字セットまたは文字コードセット」を開き,「日本語(自動判別 )または欧文」にセットしても文字化けが起こって読めない事例がある(Internet
Explorerの設定は比較的高度で複雑なため).このような場合,ブラウザーソフトをInternet ExploreからNetscape Communicatorに換えると読めるようになる場合がある.そこでブラウザーソフトは複数(最新のパソコンには,Internet
ExplorerとNetscape Communicatorの両方をインストール済みの商品が存在する)平行して利用できる環境にすると便利と思われる. 今回も前号の紹介記事同様にホームページ名またはその内容とURLを羅列する方式で記載した.そこで本記事から読者が注目したURLがあれば,まず最初に「http://group.lin.gr.jp/nichiju/」を読者パソコンのブラウザ立ち上げ画面
の「アドレス」枠内にタイプし,リターンキーを押す.すると日本獣医師会のホームページが開くので,そこから獣医師会雑誌にカーソルを合わせクリックすると,過去1年半分の各号一覧が表示される.その中で最新のVol.
53,2000年号を開き,電子化されたURL部分をブラウザ立ち上げ画面の「アドレス」枠内にコピー・ペーストすると簡単に目的とするホームページが開く.詳しくは前号の本記事を参考に試していただきたい.なお記載した各URLが開くことは本年7月末時点で確認してあるが,インターネットは電話と同様,込み合うと繋がり難くなる.エラーやサイトが見つからないと表示された場合,再度時間帯を変えて試していただきたい.
本文を読むに当たり,表記したURLに付随させた国外の組織・機関名には日本語でその内容に近いと著者が考えた名前(概訳名)を割り当てた.しかしながらこれらURLの和訳名には,別 に正式な和名が存在するかも知れない.著者はその点を確認せずに書いた.ご指摘が有れば後日訂正したいと考えているが,それまで本記事で用いた海外の記載組織・機関の日本語名称はあくまで仮称としてご理解願いたい. |