農林水産省動物検疫所成田支所
【名 称】農林水産省動物検疫所成田支所 〒282-0004 千葉県成田市古込字古込1-1 成田空港内 0476-34-2342〜2343 FAX 0476-34-2338 ホームページ アドレス http://www. animal-quarantine-service.go.jp 【沿 革】 当所は昭和53年5月成田空港の開港に伴い,羽田空港に所在していた動物検疫所東京支所を成田支所と名称変更の上,成田空港に移転し現在にいたっている. 【組織および定員】 現在の体制は1支所,1出張所(東京空港―羽田)定員76名で,職員の職種別内訳は事務官5名,家畜防疫官(技官)69名,技能職員2名となっており,21年前の発足当時39名であった職員数もほぼ倍増している. なお,家畜防疫官の定員69名中,獣医師の現員は28名(うち女性獣医師7名)となっているが,畜産職家畜防疫官と一致協力して日本の表玄関成田空港の動物検疫業務に日夜努めている. ![]() 検疫業務は平成11年10月新たに設置された霊長類の検疫を担当する検疫第4課を含め4課体制が整備されたところであり,職員の配置は第1旅客ターミナル(検疫第1課),第2旅客ターミナル(検疫第2課および庶務課),成田空港貨物合同庁舎(検疫第1課の貨物検査部門),天浪検疫場(検疫第3課および検疫第4課)および東京空港(羽田)出張所の5カ所となっている. 【業務内容】 成田空港および東京空港における主たる検疫業務は1日当たり約150便に上る国際線到着便対応のため,交替制勤務による携帯品の検査,輸出入動物・畜産物の検査,輸入動物の臨機・けい留検査,外国郵便物の検査,鹿島港における出張検査および農水大臣指定検査場所における国際交流競走馬および初生ヒナの検査等を幅広く実施している. 特に,本年1月1日から施行されたいわゆる「感染症新法」に基づく霊長類の輸入検疫および「狂犬病予防法」の一部改正に基づく猫,あらいぐま,キツネ,スカンクの新たな検疫対象動物の拡大に伴う検疫業務量の増加に加え,2002年5月に予定されている第2滑走路が完成すれば,ますます検疫業務の多様化,多忙化が予測される. なお,輸入動物のけい留検査を行う検疫第3課および検疫第4課にはすべて獣医師を配置している. 【特 色】 当所では,動物由来の感染症対策を整備するため制定された「感染症新法」に基づき,霊長類によるエボラ出血熱等のわが国への侵入防止を目的として創設された霊長類の輸入検疫を安全に実施するため,昨年11月,病原体の封じ込め施設として施設内の陰圧制御,排気のHEPAフィルター濾過処理および排水の蒸気滅菌処理装置等種々の安全対策機能を備えた高度のバイオセーフティー設備を有する霊長類検疫施投(166頭収容可能)を整備した. また,これと平行して「狂犬病予防法」の一部改正に基づき狂犬病検疫の対象動物として従来の「犬」に加え新たに追加された「猫,あらいぐま,きつね,スカンク」の輸入検疫を円滑に実施するため,一方向気流システムによる特殊空調設備を導入し,これらの新たな検疫対象動物の特性に応じた機能的かつ衛生的な特殊動物舎(小動物検疫施設―158頭収容可能)を整備して万全の検疫体制を構築したところである. 従来から動物検疫所は家畜伝染病予防法に基づく牛,馬,豚,家きん類および犬等を対象とした輸出入検疫業務を執行してきたため,今般の霊長類,猫等の取り扱いには未経験な分野であるが,職員一丸となって新たなる決意をもって業務を推進することとしている. 最後に,昨今の動物検疫を取り巻く情勢の変化および社会的なニーズに対応した的確な動物検疫の遂行のため,獣医師会関係者各位の多大なるご指導ご支援をお願いする次第である. (文責 動物検疫所成田支所 島田時博)
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