年頭ご挨拶続き
第六として豚コレラ防疫については,平成13年度から第三段階に突入し,すでに鳥取,岡山,香川,三重,島根および高知県において予防注射を中止しております.今後,日本獣医師会としてはこの経過を見守りながら養豚農家への衛生指導,指示書の的確な発行,サーベイランス事業への協力等により,事業目的の達成に向けて関係官庁と連携をとりながら,協力を進めてゆく必要があると考えております.
第七に国立大学獣医学部の再編整備については,かねてより,大学現役教官の間から「わが国の獣医系大学は学生数に対して教員数が少く,必要な講座の開講ができないばかりか,欧米に比し施設も不備であり,早急に改善しなければ日本の獣医師は国際社会で通用しない」と危機感を募らせ,獣医学部再編整備の緊要性が唱えられているところであります.昨年11月26日の全国獣医師会会長会議において全国獣医学関係大学代表者協議会会長・唐木英明先生(東大教授)から,現状と問題点,さらにその改善方法に関する特別講演を拝聴いたしました.また,九州地区獣医師大会(沖縄)において岐阜大学長・金城俊夫先生の特別講演においても,大学再編の重要性を述べておられ,今後日本獣医師会としてもこの問題を重要視しながら理事会,総会の議を経て慎重に対応してゆきたいとの感を強くしております.
21世紀を1年後に控え,獣医師会会員として世の信頼に応え,常に敬仰される獣医師像,獣医療の構築を目指して,今後一層の努力を続けて参る所存であります.「力ある者は力を出し,知慧ある者は知慧を出し」ていただき,相互に協力をすることが最も重要であることを強く訴え,新春のご挨拶と致します.最後にあらためて会員各位のご健勝とご家族のご多幸,ご繁栄をお祈り申し上げ,年頭のご挨拶といたします. |