埼玉県中央食肉衛生検査センター
【所在地】〒338-0001 埼玉県与野市上落合5-18-24 TEL 048-853-7871 FAX 048-853-7872 【沿 革】 センター設置以前は,県内各と畜場へ,保健所からと畜検査員を派遣していたが,昭和44年12月に業務の充実強化を図るため,他県等に先がけと畜検査業務を集中一元化し,埼玉県食肉衛生検査センターが発足した. 平成4年度からの食鳥検査に関する法律の施行に伴い,食鳥検査員が増員され組織が巨大化したため,平成5年には県北部の5と畜場と42の食鳥処理場を所管する支所が熊谷食肉衛生検査センターとして分離独立し,当センターも「埼玉県中央食肉衛生検査センター」と改称して県南部の6と畜場と115の食鳥処理場を所管することとなった. 【組 織】 本所と4カ所の支所(川越,川口,白子,越谷)からなり,本所は所長,副所長の下に庶務部,検査部の2部を置き,検査部は精密検査課,食肉検査課,食鳥検査課の3課で構成されている.支所のうち川越および越谷には,支所長の下に食肉検査課,食鳥検査課の2課を置き他の2支所は食肉検査部門のみ担当している.職員数は,全体で58名(女性23名),うち獣医師は45名(食鳥検査担当11名),事務職員3名,非常勤職員10名である. 【施 設】 ![]() 新庁舎は鉄筋コンクリート造3階建でその規模は,地積面積1,129.67m2で旧庁舎敷地の1.5倍,建物の延床面積1,102.41m2で旧庁舎面積の1.3倍に拡張された.1階には管理部門,2階には理化学部門と大小の研修室,3階には病理および細菌検査部門を配置した. 【業 務】 平成10年度の食肉の総検査頭数は,369,683頭で,県内総検査頭数608,712頭の60.7%であり,獣種別では,牛63,374頭,豚306,191頭,とく80頭,馬22頭,めん羊16頭であった.これらの検査結果に基づく措置の内訳は,全部廃棄が牛799頭,豚359頭,とく42頭で合計1,200頭,一部廃棄が牛32,801頭,豚106,293頭,とく31頭,馬15頭,めん羊2頭で合計139,142頭であった. 食鳥の総検査羽数は2,878,366羽(ブロイラー2,222,986羽,成鶏655,380羽)で,県内総検査羽数4,109,885羽の70.0%であり,その措置の内訳は,内臓摘出禁止37,000羽,全部廃棄9,444羽,一部廃棄46,326羽であった. 上記と畜・と鳥検査において精密検査を実施した件数は合計10,903件で,疾病に関わるものが9,243件,残留抗菌性物質に関わるものが100件であった.そのほかと畜場および食鳥処理場の衛生指導に関わるものとして,O157検査を190件,一般生菌数・大腸菌群数検査等を1,370件実施した. 【特 色】 埼玉県は,過去に農業県として畜産も比較的盛んであったが,都市化が進むにつれ畜産農家が激減した.平成10年度に当センター管内でと殺・と鳥された県内産家畜の割合をみると,牛が14%,豚が36%,鶏が20%と低率で,群馬県,栃木県,茨城県等の近県から搬入されるものの割合が多い.また,大宮市,浦和市等の県南市に加え東京など大都市を控え,管内2カ所のと畜場は中央あるいは地方卸売市場を有する消費地型の処理場となっている. 近年,食品に対する衛生意識が高まるなか,伝染性海綿状脳症や腸管出血性大腸菌O157をはじめとする動物由来の新興・再興感染症の発生,また有害物質の食肉への残留などさまざまな問題が発生し,疾病排除はもちろんのこと,有害残留物質の排除,微生物コントロール等を含めた総合的食肉衛生管理体制の必要性に迫られている.当センターは,この度の新庁舎建設でこれらの諸問題に対応できる施設づくりに取り組み,質量分析装置付ガスクロマトグラフィー,透過型電子顕微鏡,ウイルス検査室の新設,地域住民および関係業者に食肉に関する正しい知識を学んでもらうための視聴覚機能などを充実した施設の拡充を図った. 今後は消費者に信頼の得られる安全で衛生的な食肉・食鳥肉を提供していくため,検査技術の向上に努め,さらなる検査体制の強化を図るとともに,関係業界へのきめ細かな啓発を通して,と畜場や食鳥処理施設の改善や衛生的な取扱いなどの指導をさらに強化し,検査員一丸となり食肉衛生の確保に努めて行きたい. |