日本産業動物獣医学会・日本小動物獣医学会・日本獣医公衆衛生学会
特許法第30条第1項(実用新案法第11条第1項において準用する場合を含む)の規定に基づく学術団体の指定についてある発明が特許を得るためには,新規性(その内容がすでに知られた発明でないこと)がその要件とされている.したがって,学会で発表された業績,または,学会機関誌に掲載された業績は,新規性要件が問題となり,特許を得ることができない場合がある.ただし,この規程には例外が設けられており,特許庁長官が指定した学術団体が開催する研究集会等において発表した内容については,発表後6ケ月以内に特許出願を行えば,特許を受けることができる. このたび,三学会(日本産業動物獣医学会,日本小動物獣医学会および日本獣医公衆衛生学会)では,会員が自らの研究業績の内容について特許を申請する際,学会において発表を行ったことが特許取得の障害になることを避けるため,特許庁長官に指定申請を行い,さる7月26日付けで指定をうけたのでお知らせする. 参 考
特許庁長官が指定した学術団体及び博覧会について新規性喪失等に対する救済措置(1)ある発明が特許出願され特許となるためには,特許法においていくつかの必要な要件があります.その一つに,特許出願の内容が出願前にすでに知られた発明かどうかという新規性要件であり,刊行物等により記載された内容が特許出願の前に公表された場合,その特許出願は新規性がないため,特許を得ることはできません.(特許法第29条第1項) (2)しかし,例外として特許庁長官が指定した学術団体が開催する研究集会において文書をもって発表した内容(特許法第30条第1項)や特許庁長官が指定した博覧会に出品したもの(特許法第30条第3項)について,発表者又は出品者(発明者及びその承継者)が,その後6ケ月以内に行った特許出願に限っては,特許を受けることができます. (3)政府及び地方公共団体(以下,「政府等」と記載します.)が開催する博覧会については,特許庁長官の指定がなくとも上記の例外措置が適用されます. (4)同様に,実用新案法についても特許法と同様な規定があります.(実用新案法第3条第1項,実用新案法第11条) (5)また,商標登録を得るためにも,商標法において特許法と同様にいくつかの必要な要件があります.その一つに,同じ商標又は類似している商標が複数ある場合は,先に出願した方が商標登録となる先出願要件があります. しかし,特例として特許庁長官が指定した博覧会に出品したものに付した商標について,出品者が,その後6ケ月以内に行った商標登録出願に限っては,出願がその博覧会に出品(出展)した日とみなす扱いがされます.(商標法第9条) 政府等が開催する博覧会については,特許庁長官の指定がなくとも上記の特例措置が適用されます. (6)なお,意匠法においては,特許庁長官が指定がなくとも新規性についての例外が認められています.(意匠法第4条) 博覧会の賞に係る商標登録の不登録事由及びその例外規定 政府等及び特許庁長官が指定する博覧会であって,その博覧会に設けられた賞と同じ又は類似している賞の一部又は全部がそなわっている商標は登録されません. ただし,その博覧会の受賞者がその賞を商標の一部として商標を出願する場合は,上記の商標登録を受けることができないとの要件から除かれる扱いがされます.(商標法第4条第1項第9号) |