「獣 医 師 の 職 場」(その79)

(有) 熊  本  動  物  病  院

【名 称】(有) 熊本動物病院
【所在地】〒862-0926 熊本市保田窪2-11-7
TEL:096-385-1770 FAX:096-385-1860
e-mall:doiguchi@jsn.justnet.ne.jp
【沿 革】
  昭和30年,私の生地である熊本県玉名市伊倉町に土井口獣医科医院を開院,小動物診療の増加にともない昭和40年交通至便な玉名市の中心地に新築移転し,昭和59年には発展中の熊本市東部,国道57号線(通称東バイパス)沿いで九州高速道路や熊本空港も近く交通の要衝である現在地に小動物専門病院を新築し現在に至る.この地には,東に有名な観光地阿蘇山,西に熊本城や水前寺公園,北に「西南の役」の激戦地である田原坂など多くの名所旧跡がある.また,当院のある託麻原台地は600年ほど昔,菊池武朝が南朝の天皇をお護りして足利幕府と戦った古戦場でもある.今では,ライトアップされた熊本城や熊本市街のネオンの夜景が一望される絶景の地である.
【スタッフと経営モットー】
  現在は獣医師3名,AHT 1名,トリマー3名,受付1名で,これまで多くの研修獣医師を受け入れてきた.
  当院では,獣医業を通じて社会に貢献し,獣医師への信頼を醸成するため,次のモットーを掲げている.
  (1)診療はクライアントの依頼で成り立つもので,職業道徳を守り親切を旨とすること.
  (2)獣医学術の習得と研究に努めること.
  (3)診療設備の充実に努めること.
  (4)今後の診療の方向性を先読みし,常に時代即応の体制作りに努めること.などに努力している.
【施設と業務内容】
土地面積316m2,1階病院面積184m2,2〜3階は住居部分で,駐車場は病院正面に4台と地下に5台収容できる.
  当院設計に当たっては,将来の小動物の高齢化と診療の多様化や高度化を考慮し,数回先進アメリカの小動物専門病院を視察し多くの長所を取り入れた.近隣への騒音・悪臭の防止対策,各室は院内動線を効率的に配置し,院内は極力清潔にするためセントラル冷暖房とセントラルクリーナーを採用,入院室は別系統である.伝染病予診室と隔離入院室は別に設置している.手術室の出入口は,さらに清潔保持のため,手術準備室経由とし,自動ドアを採用している.麻酔ガスの排気は壁内埋没の排出パイプで室外に放出する.医局には研究会用スライドコーナーを設け平常はスタッフのミーティングに利用している.
  設備は,六面完全防護のX線室と処置室の検査コーナーには各種の血液検査機器,内視鏡,超音波カラードプラー機器を置き,画像とデータベースを重視した診療体制をとっている.手術はおもに血圧,心電図,呼吸ガスモニター等の監視下で実施している.
  窓口業務は,20年来すべてコンピューターを使用し,オリジナルのソフトを利用した簡単明瞭なシステムを開発して,顧客管理にも併用し,カルテは自動検索が可能である.当院は診療の充実を優先して病院診療専門とし,来院できないクランケには送迎車を出している.
  診療内容は,動物別では犬50%,猫40%,その他10%である.科目別では内科系80%,外科系20%となっている.各種ワクチン接種の徹底,優れた寄生虫予防駆虫薬の開発,オーナーの管理と環境の改善により伝染病や寄生虫症や交通事故はかなり減少している.代わって小動物も高齢化に伴う血液・循環器疾患,腫瘍疾患,泌尿器疾患が増加傾向にあり,消化器疾患,代謝疾患,脊髄疾患などがこれに次ぐ.これら多発傾向疾患とクライアントの依頼に十分応えるべく,より良き診療技術と体制の充実に努めているところである.
【特 色】
  10年前「雄猫の会陰尿道瘻形成術の変法」を考案し実際の臨床に多く応用しよい結果を得ている.最近では副院長土井口 修が多忙な診療の傍ら,循環器疾患の研究を行っている.心エコー図を用いて日常臨床での心疾患の診断,さらに,「重症度評価」や「心機能評価」などの研究も行っている.また,先の循環器学会では犬の血圧値について研究報告し,臨床にもすでに応用しており,院長以上に頑張っている.
  当院は日進月歩の獣医療に乗り遅れないように,学術の習得研究と獣医師のモラルを大切にし,今日も多くの動物達の命を守っている.
(院長 土井口 勝 記)