ごはんのとき,おかずを食べるのにあなたは平均して食べていきますか.それとも,好きなおかずを先に食べてしまいますか.ある小学校の調査では,ひと皿づつおかずを片づけていく子供が多くなったと新聞で報じていた.
  この「一品食い派」,「ばっかり派」が約半分だったといい,ご飯は後まわしにして好きなもの,おいしそうなものから食べていくのだという.好き嫌いが多いのか.
  この傾向はなにも子供に限ったことでもなく,大人もそうかもしれない.そして,おいしいものを求め,グルメだとかいってぜいたくになった.たとえば,エビが輸入食品のトップを占めるのもその現れで,そのうち世界中のエビを日本人が全部食いつくしてしまうだろう.
  暗い話になるが,日本の食糧自給率は42%まで下がってきたと聞く.半分以上を輸入に頼る日本に比べて,フランス,アメリカ,カナダでは自分達で食べる以上を生産し,ドイツだって90%台の自給率だという.
  だが,日本も米だけは自給率100%以上だが,それも生産調整で生産量は落ち込む傾向のようだ.国内需要量は1千万トンあればいい.米も品種改良が進んで,人気のあるのはコシヒカリで,作付面積も収穫量もトップ.
  うまいご飯があればおかずはいらないとよくいわれる.しかしこの頃は,長生きしたけりゃ肉を食えという説もあり,アミノ酸の効用だという.パン食も増えて,牛乳の消費は30年前と比べて2倍になったといい,チーズにいたっては実に9倍にも延びたそうだ.肉からの蛋白質摂取量は明治末期の20倍とも聞く.
  生乳の国内生産量は年間約860万トンで,輸入生乳が350万トンで,アメリカの消費量を上回るとどこかで読んだ気がする.そこで気になるのが,これからの日本の畜産である.この乳牛と肉牛の生産飼育をどうするのか.なにしろ牧草地はなくなり,飼料は輸入トウモロコシ,それも輸入金額では輸入品第3位の高金額だ.
  労多くして益少ない畜産農家の嘆きは大きくなる.他方生産過剰で困っているのが米とともに自給率100%の鶏卵である.世界の鶏卵生産量は7千億個.第1位が中国で3千億個,2位がアメリカで8百億個,3位が日本で4百億個(いずれも概数),日本の産卵鶏は1億5千万羽という.鶏卵は低カロリーでバランスのとれたダイエット食品,消化は半熟で90分と早く,生でも卵焼きでも約3時間.鶏卵中のコレステロールは老化を防ぎ,メチオニンはガン予防にもなるといわれる.高価なエビフライより卵の方がいい.なんたって安いんだから.(寅)