「獣 医 師 の 職 場」(その77)

大 草 動 物 病 院

【名 称】大草動物病院
【所在地】〒983-0011 仙台市宮城野区栄2-23-3
TEL 022-258-6320 FAX 022-258-1450
E-mail:okusavet@ka2.so-net.ne.jp

【沿 革】
  昭和58年12月,仙台市東部に位置し新旧住宅地の混在する高砂地区に開業し現在にいたっている.
  生鮪の基地である塩釜,日本三景の一つの松島へと続く太平洋に面しているため,降雪は年に数えるほどで,夏は涼しく生活環境は快適である.
  昭和63年からは,協同組合仙台獣医師会事務局を病院内に設置している.
【組 織】
   獣医師3名,診療補助2名,仙台獣医師会職員2名より構成されている.職員の採用に関しては,礼儀正しさ,協調性を重視している.
【施 設】
  敷地は324m2で建築面積は210m2,病院部分は待合室,診察室,処置室,入院室,医局,収納室からなり面積は78m2である.年々増え続ける器具・機器・書籍等により手狭の状態に陥っている.
【業務内容】
  小動物(おもに犬,猫,小鳥)の診療
  患畜の臨床症状,問診からの五感および臨床感を駆使したうえでの診断学を習得し,その裏付けとしての血液・尿・細胞診・病理組織・画像・心電図などの検査を実施して治療を行っている.
  小動物臨床獣医師の使命は病態を把握し,いかに的確な治療を行うかであると考えているので,収入源をフィラリア予防,ワクチン接種など不安定要素(開業者の増加,獣医師間での価格競争,不況下での患畜の離脱など)の多い予防獣医学に依存せず,診断・治療の質を向上させることにより患畜数,ひいては収入を向上させることを目標としている.
【特 色】
  1) 研究会の開催:宮城・岩手・福島の10病院で獣医臨床研究会を組織し,院長およびその勤務獣医師を対象に日曜日の午前10時〜午後5時まで,年間十数回の開催を目標にしてきたが,来年早々には百回の節目を迎える予定である.第1段階では,近年で急速に進歩した小動物臨床の卒後教育として腫瘍学,泌尿器学,循環器学,皮膚病学,放射線学をメインに整形外科学,眼科学,内科診断学,繁殖学,行動治療学などの分野の第一人者を招聘し講義,実習を行った.そのメリットは会員のレベルが同一であるために内容のステージを決めるのが容易であり,少人数のため講師の一方的な話ではなくディスカッションしながら進められること,症例検討,実習を重視することにより日常診療の中での疑問を解決し,効果を上げることができた.また,チームワークの必要なより高度な手術を手掛けることが可能となった.
  2) 学会,研究会への参加:国内・国外(J. MULLER獣医皮膚科セミナー,NAVC,ACVIM,世界獣医皮膚病学会,人と動物の絆の学会など)の学会,研究会に積極的に参加し,学術研鑽に努めている.学会参加のもう一つの目的は,同業者ばかりでなく異種分野の人々との親交を持ち情報の交換をすること,文化・歴史・自然などに接し見聞を広めることに意義を求めている.
  3) 獣医師会活動:社団法人宮城県獣医師会および協同組合仙台獣医師会理事として会の運営を考えた場合,これからの世代から第一線を退かれた会員まで幅広い年齢層にメリットがなければ会の活性化は望めない.人口百万都市を達成した仙台市だが,宮城県さらに日本という単位ではなく,世界の回転軸が大きく変化する中で,組織の方向性を見出すための意識改革を急ぐことが重要であると考えています.