届出なければならない疾病

獣医師が病気を発見したとき、届出を行う必要があるものには以下のものがあります。

(1)家畜伝染病:家伝法においては、家畜の伝染性疾病のうち、家畜防疫上とくに重要なものを「家畜伝染病」(一般に法定伝染病と呼ぶ)として(家伝法第2条第1項)、これらの疾病の発生予防及びまん延防止のために様々な措置を講じることができるような体制をとるための規定が設けられています。
家畜伝染病(腐蛆病を除く)にかかっている家畜を「患畜」、患畜である疑いがある家畜及び牛疫、牛肺疫、口蹄疫、狂犬病、鼻疽又はアフリカ豚コレラの病原体に触れたため、又は触れた疑いがあるため、患畜となるおそれがある家畜を「疑似患畜」と呼びます(家伝法第2条第2項)。
家伝法第13条第1項においては、「家畜が患畜又は疑似患畜となったことを発見したときは、当該家畜を診断し、又はその死体を検案した獣医師は、省令で定める手続きに従い、遅滞なく、当該家畜またはその死体の所在地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出なければならない。」と規定されています。

(2)届出伝染病:家伝法においては、家畜防疫上、家畜伝染病に準じる重要な伝染性疾病(届出伝染病)が省令で定められ、その早期発見につとめ初期防疫の徹底を図るための規定が設けられています。
家伝法第4条第1項においては、「家畜が家畜伝染病以外の伝染性疾病(省令で定めるものに限る「以下届出伝染病という」)にかかり、又かかっている疑いがあることを発見したときは、当該家畜を診断し、又はその死体を検案した獣医師は、省令で定める手続きに従い、遅滞なく、当該家畜またはその死体の所在地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出なければならない。」と規定されています。

(3)新疾病:家伝法においては、海外悪性伝染病、新興・再興感染症(エマージング・リエマージングディジーズ)等の発生に備えるため、既に知られている家畜の伝染性疾病と病状や治療の結果が明らかに異なる疾病を「新疾病」とし、獣医師の届出が義務づけられています。家伝法第4条の2第1項においては、「家畜が既に知られている家畜の伝染性疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なる疾病(以下「新疾病」という)にかかり、又はかかっているおそれのあることを発見したときは、当該家畜を診断し、又はその死体を検案した獣医師は、省令で定める手続きに従い、遅滞なく、当該家畜またはその死体の所在地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出なければならない。」と規定されています。