【学会・研究会紹介(その10)】
日本獣医針灸学研究会
(The Japanese Society of Veterinary Acupuncture and Moxibustion)
【名 称】 日本獣医針灸学研究会
【事務所所在地】
〒501-1193 岐阜市柳戸1-1
岐阜大学農学部獣医学科家畜外科学講座内
TEL 058-293-2952 FAX 058-293-2964
【目 的】
本研究会は,獣医学分野における針灸学の研究発展と技術の向上普及を図ることを目的としている.
【組 織】
会員数245名,会員構成としては名誉会員,顧問,会長,副会長2名,理事20名以内(おもに各大学から),各大学および地方評議員,監事2名,編集委員,事務局長(副会長の1名が事務局を担当),一般会員および賛助会員で運営している.
【沿 革】
本会の設立前は獣医麻酔研究会(現獣医麻酔外科学会)のなかにあって,昭和49年12月獣医針麻酔治療委員会が発足し(委員長:北 昴麻布獣医科大学教授,現麻布大学),昭和51年2月には第1回獣医針麻酔治療研究会が開催された.さらに同年5〜6月には東西獣医針治療セミナーが開催された(委員長:木全春生日本大学教授).昭和53年4月には針灸に関する実態調査報告書がまとめられ(獣医麻酔9号),昭和54年4月には日本獣医針灸学研究会として出発することができた(初代会長:原 茂東京農工大学教授,後に顧問).研究会創立に功労があった中村良一先生(日本獣医畜産大学名誉教授),北 昴先生(麻布獣医科大学名誉教授)が名誉会員に推挙された(昭和60年1月).昭和60年2月には会長に北沢 馨先生(岐阜大学,現顧問)が就任し,中国で開催された獣医針灸学国際会議(IVAS,1987)にはじめて参加した.平成2年2月から平成11年2月まで亀谷 勉先生(帯広畜産大学教授,現顧問)が会長に就任し,中国・台湾との学術交流を積極的に行い,本会の発展に尽力された.この間,平成5年9月には日本学術会議に研究団体として登録され,現在に至っている.
【活動内容と特色】
本会は沿革にあるように獣医麻酔研究会から産声を発している.折しも日中国交回復を機に,各方面で交流が盛んになり獣医学においても,西洋獣医学と東洋獣医学をもって研究・治療にあたるいわゆる中西医結合が唱えられてきた.現在では大・小動物にも針・灸,レーザー療法が物理療法の一つとして,またさらに漢方療法も併用されている.創立当初から学術講演会,会報の発行を行ってきた.総会と研究発表会は毎年1回,日本獣医師会の年次大会にあわせて行っている.学術講演会では国内外の研究者によるトピックッスを取り上げ,研究発表会では会員による症例報告,基礎的研究などの発表を行っている.技術講習会は,各地で実施してきた.1998年には台湾で第24回IVASが開催され亀谷会長ら20余名が参加し,招聘講演2題,口頭・ポスター8題の発表を行った.1999年には米国で第25回IVASが開催され,10余名の会員が参加し,招聘講演は「牛の針刺激における消化管運動と第四胃変位に対する臨床応用」について行われた.元IVASの会長でTuskegee大学のYann-Ching
Hwang教授は,毎回の発表内容はレベルの高いもので今や針灸,漢方薬に関する基礎研究は日本に期待するところが大きいとしている.
一方,現代医療への対策として東西医学の障壁を乗り越えた新しい考え方,すなわちあらゆる治療法を取り入れた相補・代替医療として捉えることが提唱されている.1992年米国ではNIHに代替医療局(Office
of Altarnative Medicine : OMA)が設立されたが,今年から相補・代替医療センターに改称された.英国では相補医療(Complementary medicine)と呼び,日本ではさらに発展的に統合医療となるよう指摘されている(日本の科学者34巻,1999).今後は動物の治療面においても,効果に対する基礎研究が求められさらに重要になると思われる.
台北大学林 仁壽教授から本研究会に寄せられた共学の言葉を紹介する.21世紀には生命尊重と治療のあり方を再構築することが私どもに課せられた使命と受け止め,将来的展望は明るいものと期待している.
(文責 会長 原 茂雄) |